臥薪嘗胆の主
でも…
「はやくしろよ!つまんねえな!!」
背中にトン、と軽く手が当たり私は屋上から落ちた。
…その時のアイツらの顔は今思い出しても滑稽だけれど。
何よりも不思議なのは、屋上から落ちたはずなのに死んでないってこと。
「押したの笹川だよな?!俺達は知らねぇぞ!!」
屋上から聞こえる罪のなすりつけあい。
それを聞いて私は、笑っていた。
“殺しますか。”
聞いているようでもなく、ただ指示を出したら“そうする”んだろうと思わせる口調。
そんな声が頭の中で聞こえた。