臥薪嘗胆の主



「千流くん?!」




…本当は、気づいていたことがある。






「…っ」






お母さんは、叔母の夫が殺したと。








…話を聞いてしまったんだ。











「それにしてもバカな女だった。…最後の最後まで“柊さん柊さん”って……だから殺してやったのさ。」









「殺しちゃったの?お姉ちゃんもバカよね~、あなたを選んでいれば…殺されることもなかったのに。」










「ふっ。まぁもういいんだ。元々体の弱い女だから、少し首を絞めて脅かすだけで死んだし。…次はお前の番だろ?俺が殺す前に…落としてみろよ。」









「ええ。…落ちなかったら、殺すわ。」











…今考えたら、叔母夫婦は姉夫婦の事が好きだったんだ。





叔母は俺のお父さんのことが、その夫は俺のお母さんのことが。








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