臥薪嘗胆の主
もう苦しみたくないから、他人を苦しめ傷つける日々。
そんな日々に終止符を打ってくれたのは、あの人だった。
「君かぁ…最近ここらで暴れてるのは。」
男は白髪で、月の明かりが逆光で顔は見えなかった。
「…俺を楽しませてくれるの?」
傷つけることが楽しいこと。
そんな思考でいた。
「んーん。僕じゃ君を楽しませられない。だって弱いからね。」
試しに龍神を使うと、男はヒョイっと避けた。
「でも僕のところに来れば楽しいんじゃない?」
今まで、普通のやつは龍神が見えないから避けられなかった。
…この男は、持っているのか…?