臥薪嘗胆の主
両親を早くに亡くした俺は、中学を出てすぐ働き香那を育ててきた。
今は十分すぎるくらいに稼げて、一つ悩みとすれば香那の学校問題くらいだ。
「じゃあ俺今日はあがるから。」
「あ、今日妹さんの誕生日でしたよね!」
…そう、今日は香那の誕生日。
帰りにケーキを買って帰ると言っていたから香那が楽しみにしている。
「香那、ただいま。」
暗い玄関の電気をつけると、そこは…
「なんだ、これ…」
とても荒らされていた。