たった7日間で恋人になる方法
あまりにも執拗且つ自分本位なセリフに、呆れて返す言葉を失うと、それを肯定と捉えたのか、喜々として誘いの言葉をかけてくる。
『良かったら、これから食事でもどうかな?』
『結構です、人を待たせているので…』
『ああ…例の医者か』
”彼”ではなく”医者”と言った牧村さんに、イラっとした。
社外に出る直前の通路で立ち止まり、牧村さんに向き直ると、キッと睨みつけキッパリと言い切った。
『違います!…それに、例えそうだったとしても、あなたには全く関係ないでしょ』
『フッ……ホントに困った人だ、君は』
『は?』
『随分、俺を煽ってくれる』
そう言うと、周りをひとしきり見廻し、いきなり腕を掴まれると、抵抗する間もなく近くのミーテングルームに引っ張りこまれる。
時間外の為に照明を落とされたその部屋は、5~6人が入れば一杯になってしまう程の小ルーム。
入ってすぐの壁を背に、左手は掴まれたまま壁に縫い付けられ、右手は肩にかけていた鞄のストラップを握りしめた。
『何を…』
『社内でこういうのは、如月の専売特許だったんだが…仕方ない』
自身の右手で襟元のネクタイを少し緩めて、妖艶な笑みを浮かべると、上から見下ろすように見つめられる。
『は、放して…』
『クッ…やっぱり凄いな君は、ソレ、全部演技なら完璧だよ?…その怯えたような瞳、男を誘っているようにしか見えないぞ?』
そうじゃないと首を振って抵抗するも、整いすぎている顔を近づかせ、大きな手が頬に触れると、恐怖で声も出せず、身体が硬直して動けなくなる。
『なるほど…そのそそるような目で、ハイスペックな男を手に入れたのか…』
顎を持ち上げられて、強引に上を向かされると、息遣いまで聞こえてきそうな距離に近づいてくる牧村さんに、怖さのあまりギュッと目を閉じた。
『…さて、件の医者と、どっちが良いのか比べてもらおうか…』
低くあざ笑うような声が耳元で囁かれた。
”や…誰かッ………拓真君!!”
『良かったら、これから食事でもどうかな?』
『結構です、人を待たせているので…』
『ああ…例の医者か』
”彼”ではなく”医者”と言った牧村さんに、イラっとした。
社外に出る直前の通路で立ち止まり、牧村さんに向き直ると、キッと睨みつけキッパリと言い切った。
『違います!…それに、例えそうだったとしても、あなたには全く関係ないでしょ』
『フッ……ホントに困った人だ、君は』
『は?』
『随分、俺を煽ってくれる』
そう言うと、周りをひとしきり見廻し、いきなり腕を掴まれると、抵抗する間もなく近くのミーテングルームに引っ張りこまれる。
時間外の為に照明を落とされたその部屋は、5~6人が入れば一杯になってしまう程の小ルーム。
入ってすぐの壁を背に、左手は掴まれたまま壁に縫い付けられ、右手は肩にかけていた鞄のストラップを握りしめた。
『何を…』
『社内でこういうのは、如月の専売特許だったんだが…仕方ない』
自身の右手で襟元のネクタイを少し緩めて、妖艶な笑みを浮かべると、上から見下ろすように見つめられる。
『は、放して…』
『クッ…やっぱり凄いな君は、ソレ、全部演技なら完璧だよ?…その怯えたような瞳、男を誘っているようにしか見えないぞ?』
そうじゃないと首を振って抵抗するも、整いすぎている顔を近づかせ、大きな手が頬に触れると、恐怖で声も出せず、身体が硬直して動けなくなる。
『なるほど…そのそそるような目で、ハイスペックな男を手に入れたのか…』
顎を持ち上げられて、強引に上を向かされると、息遣いまで聞こえてきそうな距離に近づいてくる牧村さんに、怖さのあまりギュッと目を閉じた。
『…さて、件の医者と、どっちが良いのか比べてもらおうか…』
低くあざ笑うような声が耳元で囁かれた。
”や…誰かッ………拓真君!!”