たった7日間で恋人になる方法
『そういえば拓真君、さっき言ってた、牧村さんの話って、前から知ってたの?』
『ああ…噂で、聞いてた』
『噂』
『ほとんどの女性社員は知らないみたいだけど、男性社員の間では有名な話だよ』
『そう…なんだ』
『奴の自己満足の為に、遊び感覚で、女性の…相手の気持ちを無視してとか…最低だよ』
そう話す拓真君からは、牧村さんに対しての怒りがまだ治まっていないようだった。
さっきの牧村さんを責めていた拓真君を思い出し、やっぱりあれはきっと私にしたことに腹が立ってああいう口調になったんだろうと理解した。
当然それは、”男”として…ではなく、”友人”として、だろうけど…。
『琉星のこと、篠原さんに聞いたみたいだったから、きっと勘違いしたんだね、私が将来有望な敏腕外科医と本当に付き合ってるって』
『……多分』
『フッ…それもそっか、もともとおかしいと思ったんだ』
『ん?何が?』
『だって私みたいな子に、牧村さんみたいな人が…なんてあり得ないでしょう?こんな普通の、まともな恋愛もしてこなかった私なんかに…』
『そんなこと言うなよ!』
いきなり、大声を出した拓真君に驚いて、隣を見れば、真剣な顔つきで、怒ったようにこちらを見つめてる。