たった7日間で恋人になる方法
『…ごめん、私そういうのは、ちょっと…』
『森野さん、そんなに身構えなくて良いのよ、私も会ったことあるんだけど、凄く優しい人だし…しかも結構イケメンよ?』
『ああ、男の俺が言うのもなんだけど、男から見て良い奴だと思うからさ、軽い気持ちで一度会ってみたらどう?』
『あの…でも、私』
『私も賛成ね、萌は少し現実みた方が良いし』
『美園!』

思わず、テーブルの下で美園の膝を小突くと、素知らぬ振りをして、面白そうに二人の話に同調する。

冗談じゃない。

3次元の男と…なんて、考えられない。

それに私には今、愛する彼(琉星)がいるのに…これは、彼に対して裏切り行為になってしまう。
 
『…やっぱり私』
『森野さん、来週の今日、時間ある?』
『え?』
『実はさ、来週の日曜、うちらの二次会の件でこの店に奴を呼んでるんだ、良かったら森野さんもどうかな?って』
『ら、来週は…』
『来週だったら、私と買い物行くって言ってたから、全然大丈夫でしょ』
『ちょっと、美園!?』
『良かったぁ、あいつ喜ぶよ』

いつの間にか美園まで巻き込んで、完全に外堀を埋められる。

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