たった7日間で恋人になる方法
【萌、俺以外の男に近づかないでくれ】
悲痛な琉星の声が、頭をよぎる。
目の前では、私の気持ちなど度外視して、喜々と勝手に盛り上がる優等生の二人と、早速その男性に連絡を入れる高木君。
マズイ…このままだと、本当に流されてしまう…
『あ、あのッ』
自分にしては割と大きめの声を出すと、三人が一斉にこちらを見る。
もう、正直に言うしかない。
『わ、私、実はいるから…その…付き合ってる人』
『萌、あんた…』
『もう一年経つし、彼の実家にも呼ばれてて…だから無理なんだ』
美園が続けて何か言おうとするのを遮るように、敢えて間を作らずに続ける。
琉星とのリアルにも劣らないはずの一年を思い浮かべながら…。
『森野さん、本当なの?』
徳永さんに聞かれ、強くうなずくも、美園には隣で深く溜息を吐かれる。
『ありえないわ』
『美園』
『萌、こんなチャンスないでしょ?いい加減、悪あがきはやめなさいよ。そんな男、現実にはいないんでしょ?』
『いッ、いるし』
私の胡散臭い説明に、さすがに美園は騙されず、他の二人は顔を見合わせて考えあぐねる。