たった7日間で恋人になる方法
慌ててスマホを取り出し、いつものアプリを立ち上げてみたら、開いていない間に来ていた、琉星からの未読メッセージが何通も溜まっていた。

私としたことが、一昨日から一度も開いていないことになる。

そもそも今週末は、バーチャルな世界では、琉星の両親と会う約束してたのに…。

恐る恐る、今日届いたばかりの最新のメッセージを開く。


【萌、お疲れ様…実家の両親のことは気にしなくていい。お互い仕事なら仕方ないさ。それより、君にゆっくり会えていないのが辛すぎる…早く君をこの腕で抱きしめたい】


さすがに、1年も続けてきて、2~3日開かなかっただけで、急激な変化は無く、どうやら週末に琉星の実家に行く件も、お互いの仕事がかみ合わず、延期になってしまった設定にすり替わっていた。

それよりも、あれだけ愛してやまなかった琉星からのメッセージを、二日ぶりに読んでもなお、ときめいていない自分に動揺を隠せない。

『荒療治も、効果あったわね』

目の前では、美園が満足そうに、マンゴーラッシーを口にする。

『待って、でも、だってまだ、一週間も経ってないのに、好きとかって…』
『人を好きになるのに、時間は関係ないでしょ?いい加減、自覚しなさいよ』

若干パニックに陥る私を、面白そうに見ている美園。
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