たった7日間で恋人になる方法
『ちょっと、待ってください、それじゃ俺はどうなるんですか?』
『案ずるな、人事には既に手をまわしてある。一応解雇ということにして、籍は残してあるから、まぁ2~3年して噂も薄れた頃、シレっと戻ってくればいいさ』
『そんな簡単に…』
言いながら、人事部の部長である、我が社初の、女性責任職が頭に浮かぶ。
家庭も持たず、仕事一筋の生真面目な彼女に、一体どんな手を使ったのか…想像するのはやめた方が良さそうだ。
『これはここだけの話だが、社長もそうハッキリした状況でもないのに、お前ほどの優秀な人材を手放すのは惜しいと考えていらっしゃる様子だったから、戻ってくるのは、そう難しいことじゃない』
『専務、お言葉を返すようですが、自分としましては、ここまで積み上げてきたものもありますし、2~3年と言っても、業務を離れてしまうのは、抵抗があります』
『まぁそう悲観的に考えるなよ、如月。俺だって何も計画なく、お前を解雇にする訳じゃない』
専務は都会の夕闇を背にこちらに向き直ると、男性でさえドキリとするような野性的な眼を向けて、言い放つ。
『実はな、ニューヨークで、俺が独自に進めているプロジェクトがあるんだが、お前をそこに参加させようと思ってる』
『ニューヨーク!?』
『前に語学留学したいって言ってただろ?』
『それ、学生の頃の話ですよね』
『もちろん今回は、単なる日常会話を学ぶものとは違うぞ。なんせ正規のビジネスだからな、これは今後の業務にも、充分スキルアップにつながる』
『…それは、まぁ』
『当然、今回の詫びも含めて、渡航費や向こうでの生活費全般、すべて用意してやる…どうだ?お前にとっても、悪い話じゃないだろ?』
『案ずるな、人事には既に手をまわしてある。一応解雇ということにして、籍は残してあるから、まぁ2~3年して噂も薄れた頃、シレっと戻ってくればいいさ』
『そんな簡単に…』
言いながら、人事部の部長である、我が社初の、女性責任職が頭に浮かぶ。
家庭も持たず、仕事一筋の生真面目な彼女に、一体どんな手を使ったのか…想像するのはやめた方が良さそうだ。
『これはここだけの話だが、社長もそうハッキリした状況でもないのに、お前ほどの優秀な人材を手放すのは惜しいと考えていらっしゃる様子だったから、戻ってくるのは、そう難しいことじゃない』
『専務、お言葉を返すようですが、自分としましては、ここまで積み上げてきたものもありますし、2~3年と言っても、業務を離れてしまうのは、抵抗があります』
『まぁそう悲観的に考えるなよ、如月。俺だって何も計画なく、お前を解雇にする訳じゃない』
専務は都会の夕闇を背にこちらに向き直ると、男性でさえドキリとするような野性的な眼を向けて、言い放つ。
『実はな、ニューヨークで、俺が独自に進めているプロジェクトがあるんだが、お前をそこに参加させようと思ってる』
『ニューヨーク!?』
『前に語学留学したいって言ってただろ?』
『それ、学生の頃の話ですよね』
『もちろん今回は、単なる日常会話を学ぶものとは違うぞ。なんせ正規のビジネスだからな、これは今後の業務にも、充分スキルアップにつながる』
『…それは、まぁ』
『当然、今回の詫びも含めて、渡航費や向こうでの生活費全般、すべて用意してやる…どうだ?お前にとっても、悪い話じゃないだろ?』