たった7日間で恋人になる方法
『…どうした?』
自分の腕の中で、ジッとして逃げ出さないままの私を、揶揄うような拓真君の声。
『ズルい…』
『何だよ、ズルいって』
『…だって、こんな…結論を私に委ねるように仕向けるなんて…』
『酷いな、これでもできる限り、萌の気持ちを尊重してるつもりなんだけどね…まぁ、俺の意志だけで行動しても良いなら、今この場で押し倒すことも可能だけど…』
『!?』
ギョッとして、慌てて拓真君の腕から身を離すと、大げさに両手を広げて肩を落とし『残念』と拓真君。
『でも、すぐに逃げないってことは、良い意味にとってもいいよな?』
何故か、嬉しそうに自答する。
その顔を見たら、何だか、無性に今の自分の正直な気持ちを伝えたくなった。
だって誤解して欲しくないから。
私だって、本当は…。
『…に』
『ん?』
『拓真君に触れるのは、嫌な感じは…しないよ』
『…萌?』
面と向かって話すのは恥ずかしく、視線を落とし、月明かりで青白い影を落とした、足元のフローリングを見ながら、今の自分に言える精一杯の想いを口にする。