たった7日間で恋人になる方法
『初めは…琉星の為に、現実の紹介話を断るための口実が欲しくて…それなら女性に興味がなさそうな時枝君に協力してもらおうって、単純に思っていただけだったんだけど』
――――――そう…一週間前は、なんとも思ってなかったのに。
『…毎日二人で会う度に、いつの間にか琉星のことさえ、忘れちゃってて』
――――――あんなに、大好きだった琉星を忘れるなんて、ありえないって思ってた。
『それに、気づいたら拓真君が仲良さそうな男の人に嫉妬していたり、何故か異性として見られていないことが、なんだか結構ショックだったりって…』
――――――こういうのって、もう、そういうことでしょう?
ふと話しながら、相槌すら返ってこないことが気になり、顔をあげると、目の前の拓真君が、自身の腕で口元を隠すようにしている。
『…拓真君、どうしたの?』
『いや、何でも…ない』
薄闇で、表情がよく見えない分、不安が募り、ほんの少し近づいて、覗き込む。
『何でもなくないでしょ、何か具合でも…』
『マズい…』
『マズい?って、何が?』
逃げるように顔を背けられて、ますます心配になり、顔を隠している腕に、そっと手をかけると…
『え…』
不意に視線が宙を浮き、背中にまわされた大きな手に支えられると、すぐ真横にあったベットにふわりと落とされ、あっという間に、組み敷かれてしまう。
『あ……えっと……あれ??』
目の前には、余裕の無くなった拓真君の顔と、その後ろには、マンションにしては高すぎる位置にある天井が見えた。