たった7日間で恋人になる方法
『しかし、うちで再雇用なんてめったにないから、変に目立ったのが悪かったな』

そういうことだけじゃない気もするけれど、少なくとも、2年前までのように上層部だけで評判になってるのとは違い、華々しい復帰劇が、会社全体にインパクトを与えてしまったのは事実。

今や、良くも悪くも注目の的になってしまってる。

『同じ社内にいるのに、こんなに離れてる部署だと、普通に会いに行くこともできないな』
『仕事にそういうものを持ち込むのは、ルール違反でしょ』
『案外淡白だな、君は』
『社内恋愛は、コソコソが醍醐味だよ、拓真君』
『フッ…知ったような口を利く』
『だって私、社内恋愛は何度か経験あるもの』
『それ、バーチャルな話だろ…って、でもなんかムカつくな、そのバーチャル男ども』

そう言って、生身の男性ではないバーチャル元カレ達に嫉妬する拓真君。

付き合い始めて気付いた彼の一面。

見た目のクールさと相反して、意外とヤキモチ焼きだ。

『ふふふ』
『何だよ?』
『ううん、そういうとこ可愛いなぁ…と』
『可愛…って、仮にも萌より年上なんだけどな』
『仮にもね』

実は同じ年だと思っていた拓真君の実年齢は、院卒で私より2つ年上だったのも、後から知った事実。

確かにそう言われれば、落ち着いて見えるけれど、”時枝君”の頃は、ずっと敬語でしゃべられていたからか、言うほどの差は感じない。
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