たった7日間で恋人になる方法
『この話は一旦保留ね』
『了解…例の協力の件は任せて』
『萌も、今後の為にも、今日はちゃんとノーマルで通すのよ』
『わかってる』

互いに笑顔で手を振り返しながら、秘密裏の契約を結ぶ。

世の中、一昔前の時代と違って、そういった人種(ヲタク系)に対しての差別や偏見が少なくなったとはいえ、未だノーマルの人間にとっては異端な人種。

かくゆう私も、結局、一部の親しい友人にしかカミングアウトしておらず、学校や職場では、ノーマルを通してきた。

そのおかげか、今のところリアルでの恋愛経験はゼロに等しいけれど、これと言って問題は発生していない。

正直言うと、ゲームの中での恋愛で充分満足してるし、リアルでだっていわゆる男嫌いでも男性恐怖症でもなく、単に3次元の男には全く興味がないってだけの話なのだから…。



同窓会の会場は、想像してた今風の居酒屋ではなく、お洒落な佇まいのイタリアンワインバー。

広さも充分にあり、総勢150人を超す人数も裕に集積できている。

用意されたテーブルは、始めは各クラスごとに分かれていたけれど、30分も過ぎれば皆思い思いの場所に移動し、旧友と談笑。

懐かしい思い出話や近況などを報告し合っていた。
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