トラウマの恋
その一言を聞いて
もう何も言うことが出来なかった。
しばらく沈黙が続き、
「俺、今から出かけるから。」
と、準備を始めた圭斗くん。
「分かった、今までありがとう。
好きにさせられなくてごめんね。
わたしは大好きだったよ。
お仕事無理し過ぎないでね。」
そう言って彼の家を出た。
これで終わり。
その日はどうやって帰ったか覚えてない。
好きで好きで堪らなかった彼は
わたしのことを好きではなかった。
そのことが辛くて、悲しくて
もう恋はしない。そう決めた。