トラウマの恋
「え!上原さんに会ったの!?」
沙奈江に話すか迷ったけど
誰かに聞いて欲しかったんだと思う。
「そうなんだよね、びっくりした。」
その時の状況を話して
また腕の感触を思い出した。
「そっかー、どんな気持ちだった?」
「分からない。
でももう会いたくないかな。」
何だか泣きそうになって顔を伏せた。
「茅菜!恋しよう!!
もう2年以上経つんだよ!
上原さんに振り回されてたら駄目だ!
茅菜の人生だよ!」
そう言う沙奈江の顔を見ると
涙がいっぱい溜まってる。
「ちょっと、沙奈江。
泣かないでよー。
わたしまで泣いちゃうー。」
「だってさあー。」
と言いながらその日は二人で居酒屋で泣いた。
沙奈江、ありがとう。
今はまだ難しいけど
前を向くよ。