トラウマの恋
「衛藤と何話してた?」
シャンプーしながら圭斗くんが聞く。
「何もないですよ、
わたしに気遣って
色々話してくれてただけです。」
「そ、」
そこからまた圭斗くんのセットと
今日はメイクも、衣装も用意してくれた。
メイクの時に目が合うのが恥ずかしくて
どこを向いたらいいのか分からない。
なんて、もう全然好きじゃん。
「おっけー、次撮影な。」
と、完成した自分に驚く。
「すごいですね、ほんとに。
わたしじゃないみたい。」
「わー!赤城さん綺麗だね!」
と、衛藤さん。
「ありがとうございます!
顔隠したらかなりいい感じですよね!」
「何言ってんの!
赤城さんいてのこの出来栄えだよ!
ほんと良く似合ってる!」
と、衛藤さんとわたしを尻目に
圭斗くんは黙々と撮影の準備をする。
あー、住む世界が違うなー。
やっぱりわたしは相応しくない。