トラウマの恋
やっと終わった、一週間。
あー長かった。
土日は引きこもろう。
と会社のロビーを歩く。
「赤城ちゃん!お疲れ!」
「伊波くん!」
「大丈夫?送ろうか?」
「大丈夫大丈夫!お疲れ様!」
と、会社を出ると夏の暑さに目眩がした。
「…っと、危な!」
伊波くんが抱きしめるように
体を支えてくれてこけなかった。
「ごめんごめん、ほんと。」
離れようとするけど
伊波くんが離してくれない。
「伊波くん!
ほんとに大丈「ほんと、ほっとけないよ」
抱きしめられる腕の力が強くなるのを感じた。
「何で傷付いてんの?
どうしてそんな無理すんの?
俺を頼ってよ。」
ああ、この人は本当に優しい。
この人に流されたらきっと幸せになれる。
「…ごめん、本当にありがとう。
でも大丈夫。自分で立てる。」
と、伊波くんの腕の中から抜け出した。
「何?どうしたの?」
「実はすごく好きな人に振られたの。
もう2年以上経つんだけど
未だに引きずってる。
最近、再会しちゃって
何か現実を目の当たりにしちゃったんだ。」
「そうなんだ、」
「だから伊波くんには頼れない。
自分で吹っ切らなきゃ意味ない。」
「そっか。そりゃそーか。
でも一人で辛くなったら
いつでも声かけておいで。
飲みに行こう!」
「ありがとう。」
といって伊波くんとは別れた。