トラウマの恋


「「かんぱーい!!」」

お互いビールをほぼ一気する勢いで口に運び
おつまみを適当に頼み
近況を話し合った。

「赤城ちゃんどお?最近」

「どお?って何が?
伊波くんは相変わらず
人たらしてるらしいね!」

「何それ?めっちゃ失礼ー。」

一杯目の最後の一口を流し込み
ははは、と笑う伊波くん。
彼は本当に無自覚らしい。

「仕事もだけどさ、恋愛よ、恋愛。」

伊波くんが追加ドリンクのメニューを
見せてくれながらさらりと言う。

やっぱりこういうこと、
自然に出来ることが
本当に尊敬出来る。

「あ、ありがとう。
ハイボールにしよ。
何にもないよ、これからもね
伊波くんは?」

「俺もハイボール、
すいませーん!!

どうだろなー。
相手次第ってとこもあるからなー。」

「何それー、伊波くんが振られるとか
絶対ないじゃんか!」

「いやいや、俺のこと買い被りすぎ。
俺だってうわー俺のこと
全然眼中にないなって時とか
余裕であるからね。」

「うっそだー!」

そんな子がいたら教えてあげたい。
あなた今伊波くんに狙われてますよーって。
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