トラウマの恋
さあこれからどうしよっかなー。
どうやって彼を忘れようか。
とりあえずスーパーで買い物して
土日は引きこもろう。
って前も同じこと言ってたな。
ふっと笑って
最寄りの駅の改札を抜けた。
…え?何?どう言うこと?
そこには愛しくてたまらない
会いたくて、でも会いたくない人が
誰かを探す彼と目が合った。
こっちに来る。足がすくむ。
「茅菜、ごめん。
連絡取れなくて、ここで待ってた。」
ちょっといつもより覇気がない圭斗くん。
どうしていいかわからず
立ち止まってしまった。
「ごめん困るよな。
けどさ、あのまま終わりに出来なかった。」
ここ、人通るから、と手を引かれて
気付くと圭斗くんの車の中。
「茅菜、本当にごめん。
俺さ、自分から振っといて
だっさいけどさ、
まだずっと茅菜のことが好きなんだ。」
「…え?」
「どうしてもまた会いたかった。
茅菜と別れてから
やっぱりもう一度会いたくて
何度も連絡しようとしたけど
拒否されてたらって思うと怖くて出来なくて
実家にも行ったんだ。
話したいと思って。
でも茅菜に会えなくて、
会社にも行った。
けどなんか彼氏といい感じだったから
声かけられなかった。
続いてるんだね、彼氏と。」