トラウマの恋
助かった。
あの子がいなかったら
どうなっていただろう。
きちんとお礼をしたい。
そう思い、ある仕事終わりの日曜日に
ふと途中下車したあの駅に行ってみた。
ちょっと待ってみるか。
やべ。俺ストーカーみたいじゃん。
顔も何となくしか覚えてないし
今日会わなかったらもう諦めよう。
と、思っていたけど偶然ってあるんだな。
あ、この子だ。って確信した。
声をかけて名刺を渡すと
何とご新規のお客様。
店で再会し、
ご飯に行くようになり、
気付けば惚れてた。
ふんわりと笑う茅菜。
そっと押し付けがましくなく
自然な思いやりのある優しさ。
何かと忙しい毎日の癒しになっていた茅菜。
何回かのデートを重ね、
告白し、晴れて付き合うことになった。