トラウマの恋
2
あれは3年前---
まだ実家に住んでいたわたしは
日曜日の夜に友達と遊んだ帰り
最寄りの駅に到着した。
大学の最寄りの駅でもあるので
学生らしき人も含め
多くの人が電車から降りる。
その中の一人が彼。
フラフラと降りたかと思うと
そのままホームに膝立ちし
手をついて苦しそうにしていた。
酔っ払いかな?
そんな感じだったけど
もう一度立ち上がり、
フラフラと歩いてはホームの端に行き
彼はもどしたようだった。
ちらっと見えた横顔は
本当に顔色が悪く、
体調も良くなさそうだ。
そう思うや否や
自販機で水を買い、
持っていたポケットティッシュと一緒に
彼に渡し、駅員さんに声を掛けた。
「…ありがと…ござ、いま、す」
一瞬目が合った彼は
申し訳なさそうに水とティッシュを
受け取った。
そこから先は分からない。
「では、」
と自宅に帰った。