砂糖よりも甘い君
ガトーショコラ
たくさんのケーキが置かれたショーウィンドウは、小さな私にはキラキラしている宝石が詰まった宝箱のように見えた。
こんな素敵なケーキを作れたらどれだけ毎日が幸せだろう……。
そう思ってずっと生きてきた。
たとえどんなに辛いことがあっても、ケーキはいつだって幸せを運んでくれた。
だから私もそんなケーキを作りたいんだ。
その気持ちが叶って、私はパティシエとなった。
大切な人達に『美味しい』と『幸せ』を運べるパティシエになれるように、今は頑張っている。
家の近所にある小さなケーキ屋さん、『Bear(ベアー )』。
今日も私はたくさんのケーキを作っていた。
自分で言うのもなんだが、いつ見てもケーキはキラキラしてとても綺麗だ。
「紅華(くれは)ちゃん」
出来上がったケーキを見つめていた私はハッとして声をかけられた方を向いた。
クスクス笑いながら優しい風貌の男の人は口を開いた。
「今、ちょっといい?」
「は、はい!!すみません!!」
真っ赤になって慌てて頭を下げる。
男の人、吉澤正人(よしざわまさと)さんはこのケーキ屋のオーナーさん。
正人さんの作るケーキを初めて食べた時、今までにない程の幸福で満たされたのを覚えている。
だから私は弟子入り目的でこのケーキ屋で働くことを決めたのだ。
私がここへ来るまでケーキはずっと正人さん一人で作っていたみたいで、売り切れたら即閉店だった。
どうして一人でしていたのか聞いた事はあるけど、正人さんは結局何も教えてくれないまま。
それ以上聞くのも悪くてそれからその話はしていない。
「お客さんも引いたし、ちょっと紅華ちゃんにお願いがあるんだ」
「はい!私に出来ることであれば何なりと!!」
「本当に紅華ちゃんは頼もしいね。紅華ちゃんのおかげで夜までお店開けれるようになったし、本当に助かってるよ」
「そそそそんな!!私のケーキなんて正人さんのに比べたら月とすっぽんです!!夜まで買いに来てくれてる人達に申し訳ない……っ」
そう言うと正人さんは笑った。
.
こんな素敵なケーキを作れたらどれだけ毎日が幸せだろう……。
そう思ってずっと生きてきた。
たとえどんなに辛いことがあっても、ケーキはいつだって幸せを運んでくれた。
だから私もそんなケーキを作りたいんだ。
その気持ちが叶って、私はパティシエとなった。
大切な人達に『美味しい』と『幸せ』を運べるパティシエになれるように、今は頑張っている。
家の近所にある小さなケーキ屋さん、『Bear(ベアー )』。
今日も私はたくさんのケーキを作っていた。
自分で言うのもなんだが、いつ見てもケーキはキラキラしてとても綺麗だ。
「紅華(くれは)ちゃん」
出来上がったケーキを見つめていた私はハッとして声をかけられた方を向いた。
クスクス笑いながら優しい風貌の男の人は口を開いた。
「今、ちょっといい?」
「は、はい!!すみません!!」
真っ赤になって慌てて頭を下げる。
男の人、吉澤正人(よしざわまさと)さんはこのケーキ屋のオーナーさん。
正人さんの作るケーキを初めて食べた時、今までにない程の幸福で満たされたのを覚えている。
だから私は弟子入り目的でこのケーキ屋で働くことを決めたのだ。
私がここへ来るまでケーキはずっと正人さん一人で作っていたみたいで、売り切れたら即閉店だった。
どうして一人でしていたのか聞いた事はあるけど、正人さんは結局何も教えてくれないまま。
それ以上聞くのも悪くてそれからその話はしていない。
「お客さんも引いたし、ちょっと紅華ちゃんにお願いがあるんだ」
「はい!私に出来ることであれば何なりと!!」
「本当に紅華ちゃんは頼もしいね。紅華ちゃんのおかげで夜までお店開けれるようになったし、本当に助かってるよ」
「そそそそんな!!私のケーキなんて正人さんのに比べたら月とすっぽんです!!夜まで買いに来てくれてる人達に申し訳ない……っ」
そう言うと正人さんは笑った。
.
< 1 / 12 >