みだらな天使
会社に到着し、ロビーの受付の人に、必死に声をかける。



「あ、の…朔を……岩塚朔に会わせてくだ…さい…」




おかしいな。



なんだか、息苦しくなってきた。





受付嬢は私の体調を気にしつつも…





「あの、社長とはどういった…?アポは取られてますか?」





そう簡単には会わせてはもらえないようだ。





「じゃ、じゃあ…本人に電話しま………っっ!」





なにこれ…



息ができない!





「お客様!?」






ロビーに倒れこむ。





誰か…助けて。




朔……







「……奏!」





朔の温もりに包まれた気がした。





「もう大丈夫だからな!」




そんな声に安心した。





だけど、苦しくて苦しくて…





知らぬ間に私は、気を失っていた。

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