みだらな天使
七海に後の事務処理は任せ、俺はエレベーターに乗り込み、ロビーへ向かった。





一階でエレベーターの扉が開き、外に出ると…




なんだか受付の辺りが騒がしかった。




ちょっとした人集りが出来ている。





何かあったのか?



人混みをかき分け、様子を見ると…






「……奏!」




なんで奏がここに!?





いや、それよりも…奏の様子がおかしい。





「奏!」





奏の華奢な体を抱き止める。




これは…過呼吸か…?




「おい、袋!紙袋ないか!?」




「は、はいっ!ここに!」





もう一人の受付嬢も過呼吸と気づいたのか、紙袋を取りに行ってくれていたようだ。





「奏、ゆっくり深呼吸しろ。俺がいるから、もう大丈夫だからな!」





苦しそうな奏は、だんだん落ち着きを取り戻し…




そのまま意識を失った。






「悪かった。あとは医務室に連れて行くから…みんなは業務に戻ってくれ。」





受付嬢や周りの社員に頭を下げ、奏を社内の医務室に連れて行った。



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