みだらな天使
寝室のベッドに奏を寝かせる。




すると…




「ん…」




奏の瞼がピクリと動き、ゆっくりと目を開けた。




「大丈夫か…?」





奏の瞳に俺が映る。




すると、みるみるうちに目に涙を浮かべる奏。





「大丈夫だよ、俺がずっとここにいるから。」





すると、泣きながら俺の首の後ろに腕を回し、抱きついてきた奏。




そんな奏を抱きしめるけど、身体が冷え切っている。




奏の心を落ち着かせるように、背中を撫でる。




すると、俺に抱きついたまま奏が呟いた。





「…ごめんね、デート。」




「デートは家でもできるだろ?」



「ふふ…そうだね…」





少し笑ってくれただけで、ホッとした。





「ね、朔…」



「ん?」




少し身体を離して奏の顔を見ると、やはり泣きそうな顔で俺を見上げた。






「キス…したい……キスして…朔…」





そう言いながらも、ポロポロと涙をこぼし続ける奏。




俺のキスで安心できるなら、いくらだってしてやる。




少しでも奏のストレスを減らしてやりたい。





そんな願いを込めて、奏にキスをした。



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