みだらな天使
そこは、明らかにラブホテルで。





「な、ちょっと…」





「デートはまた夕方からでもいいだろ?ひとまず…抱きしめさせてくれない?」




依然として一歩前にいるものだから、朔の表情が全く見えない。




…だけど。




一瞬だけ見えた、朔の横顔。




耳が真っ赤だった。





もしかして…朔も照れてる?




そう思うと、なんだか微笑ましくなった。





しかし部屋に着くと、そのきらびやかな装飾に…




そんな微笑ましい気持ちは飛んで行った。





ラブホテルって、こんな感じなんだ…




とにかくピンクで統一されてて、いかにもって感じの部屋で。





「さ、朔…?」




朔のコートを軽く引っ張ると、その瞬間…




「……んっ!!」




壁に押さえつけられ、キスが降ってきた。

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