みだらな天使
激しく唇を奪われた後…




「…想定外だったんだ。」




朔が私を抱きしめたまま、そう呟いた。







「…想定外?」




「そう。奏がお母さんに対して言った言葉。もっと文句がたくさんかと思ったら…今が一番幸せだって言ってくれただろ?あれはヤバかった…」




私の本音。




あれが全てなんだ。




「…朔の言う通り、それまで言いたいこと考えてたのは全部どっか飛んでっちゃった。幸せだってことだけを伝えたかった。」




朔が私を抱きしめる力が強くなる。




「その言葉が嬉しくてさ。俺も同じなんだ。俺も今まで生きてきた中で今が一番幸せ。だけど、この幸せのもっと上があるとしたら何だろうって考えてたら……お母さんに結婚のこと言ってる自分がいた。」




朔の腕の力が緩み、そっと体を離して朔を見上げる。




優しい眼差しで私を見つめる朔。




そんな朔の首の後ろに、腕を絡める。


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