みだらな天使
あれから10分ほど経過した頃。
朔のお父さんは結局玄関先での会話だけで帰って行き、再び静寂の時間が訪れた。
「朔…?」
ソファーに腰をかけたまま何も言わない朔の隣に腰を下ろし、その身体を優しく抱きしめる。
そんな私を抱きしめ返してくれる朔だけど…
抱きしめる腕に、いつものような力が入っていなかった。
「…ごめんな、嫌な思いさせて。あれが…俺の父親。」
「…朔からご両親の話、聞いたことないね。」
そう呟くと、ようやく朔が私を抱きしめる力が強くなった。
「…奏は俺の前からいなくならないよな?」
その言葉が何を意味しているのか。
わからないけれど、私もギュッと朔を抱きしめ、呟いた。
「いなくならないよ。ずっとずっと一緒だよ…」
朔のお父さんは結局玄関先での会話だけで帰って行き、再び静寂の時間が訪れた。
「朔…?」
ソファーに腰をかけたまま何も言わない朔の隣に腰を下ろし、その身体を優しく抱きしめる。
そんな私を抱きしめ返してくれる朔だけど…
抱きしめる腕に、いつものような力が入っていなかった。
「…ごめんな、嫌な思いさせて。あれが…俺の父親。」
「…朔からご両親の話、聞いたことないね。」
そう呟くと、ようやく朔が私を抱きしめる力が強くなった。
「…奏は俺の前からいなくならないよな?」
その言葉が何を意味しているのか。
わからないけれど、私もギュッと朔を抱きしめ、呟いた。
「いなくならないよ。ずっとずっと一緒だよ…」