みだらな天使
家に帰ると、すぐに朔は私にキスを浴びせた。
いつもと違って余裕のないキス。
「ん……あっ……」
ベッドまでたどり着く前に、一つになった私たち。
しばらくして、朔が私に、今度は優しくキスを落とした。
そして…
「ありがとな、奏。」
そう呟いた。
「私…何もしてないよ?」
「親父と向き合う勇気をくれたよ。」
優しい眼差しでそう言ってくれた朔に、私もチュッとキスをした。
「朔が私に勇気をくれたんだよ。だから私は母と向き合った。きっと私が何も言わなくても、私にそんなアドバイスをくれた朔だもん。自分で向き合う道を選んだと思うよ。」
そう言って朔の胸の中に顔をうずめると、はあっと朔のため息が聞こえた。
「…朔?」
「もう一回戦、いい?……足りないんだけど。」
「えっ!?」
「奏が悪いんだぞ…」
そう言って、本当に私の中に入ってきた朔。
「あっ……ん!」
腰を揺らしながら、快楽に溺れる。
その日は、朝方までずっと絡み合っていた。