みだらな天使
「ほら、今日の分」
生まれたままの姿で、男は財布から一万円札を数枚抜きとり…
同じく生まれたままの姿の私に手渡してきた。
「これで足りる?」
「…どうも」
それを自分の財布にしまい、散らばった下着や服をかき集めて身につける。
「…なあ、お前さえ良ければ、もっとここにいていいんだぞ?俺と真面目に付き合わね?」
男の薄っぺらいセリフを聞きながら、コートを羽織る。
「悪いけど私、誰のモノにもならないから。ばいばい」
いいカモだったんだけどな。
本気になられたら、即おしまい。
次の住処を探さないと。