みだらな天使
「じゃ、ルール追加ね。」




「ルール…?」




この家に居候し始めてから、朔は時々“ルール”という言葉を使う。




料理を作って、朔の帰りを待つ。



それがルール。




それに加えて…




「行ってきますとただいまのキス。」



「は…冗談でしょ?」




なんで私がそんなことまでしなきゃいけないのよ。




「だったら、今ここで最後までシてもいいんだけど?」




こんな交換条件アリ?




恋人でもないくせに、恋人以上の行動を強いられる私。




だけど、朔を仕事に見送る時の孤独感と、帰ってきた時のホッとする安心感。




それを感じているのは確かであって。






「…キスくらい、いいわよ。」





動揺してることなんてバレバレかもしれないけど、あくまでも強気に振舞ってやった。




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