みだらな天使
そして、もう一つルールが追加された。




「あとは、さっきも言ったように…合意の上でなきゃ、最後までしない。約束するよ。だけどその代わり…毎晩一緒に寝ようね、奏ちゃん♪」




「…は?」




ここ一週間、私はソファーで寝かせてもらっていた。




ソファーと言っても、ベッド並みに大きくて、寝心地が良かったのだけど。




一緒に寝る…?





「一緒に寝るのに、何もしない自信あるの?」




「最後までしない自信?あるよ。奏と気持ちがリンクしなきゃ、意味ないからね。」




スラスラと話す朔にあっけにとられてあまり深く考えられないまま、ルールの追加を快諾してしまった。




独りで寝るよりは、マシかもしれない。




母親に捨てられたあの日の悪夢を、繰り返し見なくても済むかもしれない。





実はあまり眠ることができなかったから、誰かの温もりが恋しいと思っていたのは事実であって。




この男がそれを知ってて提案しているとすれば、私の心を読み取るエスパーなんじゃないかと思う。




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