みだらな天使
スーパーの買い物以外の外出は、久々だ。




電車に乗り、朔の会社に向かった。





「…デカ。」



辿り着いたのは、超高層ビル。




入るだけで緊張が走る。




大きな自動ドアを通り抜けると、受付嬢が並んで座っていた。




本当に、名前を言うだけで大丈夫なのかな。



半信半疑で受付嬢に名乗り出る。





「あ、あの…私、咲田奏と言いま…」



「咲田様ですね。お待ちしておりました。社長室へご案内致します。」




受付嬢の一人が立ち上がり、深々と会釈をされた。



な、なんかVIP待遇でよけいに緊張する。




そのままエレベーターで高層階まで上がり…





「こちらが社長室でございます。」




立派な扉の前に立たされた。



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