みだらな天使
家に帰ると、広い部屋に寂しさを感じた。




この一週間、たいした外出もしてなかったからあまり感じなかったけど…




静けさの漂うこの部屋に一人は、孤独感が増す。




「疲れた…」




久しぶりのちゃんとした外出は、精神的に疲れる。




ソファーに横になり目を閉じると、すぐに眠りについた…のだけど。




孤独感の中で眠りについたからか、やはり見るのは、あの悪夢。




母親を必死に呼び止めているのに、振り向いてくれなくて…





ドアをガチャンと閉められた後も、声が枯れるまで必死に母を呼び続けている私。






こんな悪夢…






「……なで…?」






早く覚めてほしい…








「…奏!」



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