みだらな天使
振り返ると、先ほどまで一緒にいた男だった。




「どういうことだよ!?金ならいくらでもやる。だから、俺のとこにいればいいだろ?」





この男、わざわざ追いかけてきたんだ。



哀れな男。




「私、本気になられたら終わりにするって決めてるの。余計な感情なんて必要ないから。」




「そんなこと言うなよ、サキ!金は払うから…」





ガッと腕を掴まれる。




…ちょっと待って。




今までの男と様子が違う。





「ちょっと離して…」




「ダメだ。言うこと聞けないなら、無理やり聞かせるまでだ。」





男の目力と腕を掴む強さに、初めて“恐怖”というものを感じて、目をぎゅっと閉じた。









…その時。









「女性に手荒な真似は、感心しないな。」



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