みだらな天使
信じる心
「…つーか奏、まじで女子高生だったのか。」




「人の生徒手帳盗み見といて、その言い草は何よ。」





二学期が始まった。




制服に袖を通した私を見て、朔がため息まじりに冒頭のセリフを放ったのだ。





「機嫌直してよ、かーなーでーちゃんっ。」




「別に機嫌悪くな………んっ…」





朝っぱらから強引なキス。




そっと離れた唇が、とんでもない一言を放った。




「あーやばい。制服姿って、そそられるな…」




「は!?ちょ、ストップ!スイッチ、オフってよ!?今から学校なんだからね!」





焦る私を見て楽しそうに笑う朔。




全く、油断も隙もあったもんじゃない。





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