みだらな天使
その声に目を開けると…




私の腕を掴んでいた手は離されていて、イテテ…とうめき声をあげていた。





目の前に立ちはだかる、モデル体型の男。




本当にモデルかってくらい、整った顔立ちの男。




男の胸ぐらを掴みながらニッコリと微笑んではいるが、目の奥が笑っていない。





「は、離せよっ!もう知らねーよ、こんな女!」




逃げるように立ち去っていった男の後ろ姿を見ながら、不覚にも身体中の力が抜けて…






「おっと。…大丈夫?」




やたらオトナの色気を醸し出す男の胸元に、あろうことか寄りかかってしまった。



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