みだらな天使
「…いいニオイがする。」




「肉じゃが作ったんだ。すぐ食べる?」




「先に奏を食べたい……って言いたいけど、奏の作った肉じゃがも食べたいからなー。着替えてくるから、用意してくれる?」




にこっと微笑む朔の笑顔に、胸がキュンと鳴る。




朔が、先にご飯って言ってくれなかったら…




私、止められなかった。




ついこの前までは考えられなかった、この感情。




朔の腕に包まれるあの感覚を知ってしまった今、もう独りぼっちの頃には絶対に戻れない。




私が、こんなにも孤独に耐えられない人間になるとは思わなかった。




肉じゃがを盛り付けながら、そんなことを考えていた。



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