みだらな天使
熱に浮かれて
ある日のことだった。
「じゃあ、行ってくる。奏も気をつけて学校行くんだぞ。」
「もう、小さな子供じゃないんだから。」
朔の、過保護発言に苦笑しながらも、玄関先でいつもの行ってきますのキスを受けようと目を閉じる。
すると…
ーーチュッ…
「…じゃあな。」
ふわっと優しい微笑みを向けた朔は、そのままドアを開けて出て行った。
「あれ…?」
いつもは唇にくれるキスが、なぜか今日はほっぺただった。
しかも…
「ちょっと…熱かった…?」
唇から伝わる熱が、気になる。
もしかして…風邪気味?