恋愛シュミレーション
マンションから工場は歩いて10分くらいで、車は買い物行くときくらいしか乗らない。私の働く工場は、私服の上に工場規定の白い制服を着るだけでいいし、姉みたいにバリバリのキャリアウーマンでスーツに身を纏う事もないし、ジーンズにTシャツといったカジュアルな格好に制服着てればいいから本当に楽だ。
私はその制服を着たまま歩いて工場まで向かう。
工場は色々な部署で分かれているんだけど、私が所属している部署は特殊なので少し離れている。
私は鞄からカードを取り出して、クレジットカードで支払いをするようにカードを通す。このカードがタイムカードだ。
ロッカーに鞄を入れて、スマホだけ制服のポケットに入れると自分の部署に向かった。
自分のデスクに座り、パソコンの電源を入れる。
昨日の残りの仕事を少しだけ進めて、また部署を出て今度は外に出た。
「おはよう真由美」
外に出ると同期で入社した由紀が居た。
「おはよ由紀」
由紀は違う部署で総務の仕事をしている。地味な私でも仲良くしてくれるし、私の趣味も否定される事なく理解してくれる。
私達が外に出た理由はラジオ体操の為だ。
雨の日でも社内でラジオ体操するから、会社の決まりとはいえ最初は恥ずかしかった。
「そう言えば真由美の部署に、今日から新しい部長がくるよね?本社でかなりやり手で、仕事が出来て容姿はイケメンって噂だよ。年齢は30歳で、その若さで部長になるんだもんね」
「うちの部長、来月で定年退職だもんね。それに部長達世代が次々に退職なるから、若い人に部長になってもらうんだろうね」
「こっちの工場にきてもらったのは真由美たちの部署って業績いいし、パートや派遣を増やして製造を24時間フル稼働させるようになるみたいだしね」