【短】I Love Youのカタチ



この学校の女子生徒たちは、一体何を目的に学校に通っているのか…。
そんな教頭先生が嘆きそうなことを思って、私は窓の外から見える空に目をやった。


どこまでも、蒼い、雲一つない夏の空。
遮るものが何もないそこには、いたいけな太陽が、校庭の砂をジリジリと焼いていた。


「あーつーいぃーなぁぁー…」


パタパタと、下敷きを団扇の代わりにして、私は窓枠で切り取られた空に気を取られていた。


「永莉…」

「……んあ…?」

「…ぷっ。なんだ、その面は…」


頬杖をついて、教室の窓からずーっと遠くの方を眺めていた私は、暫し呆けていたようで。

自分の大切なパーソナルスペースにいとも簡単にコイツを入れてしまった。


迂闊。

てか、一生の不覚。

…なんか、マジ不快。


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