【短】I Love Youのカタチ
「ほら…そうでもないんじゃん」
そう小さく呟いた私に、廊下を出てこっちを向いた美希都とバチッと目が合った。
だから、私はひらひらと手を振って、口パクでこう言う。
『じゃ・あ・ね?美希都”くん”?』
「…っ!」
その瞬間、ギッと睨みつかれたけれど、私にそんな顔をしたって、全然効きません。
…何年幼馴染やってると思ってんの?
ほんと、ばーか。
毒を吐いてると、いつの間にか私の席の近くまで戻ってきた西川くんに声を掛けられた。
「真中さーん」
「はーい」
私は、まだこっちを見ている美希都を残して、呼ばれた方へと席を立った。