【短】I Love Youのカタチ
「真中さん?」
「ん?西川くん、何?」
「かわいいね」
「んもー。西川くん、そればっかり」
西川くんとは、委員会が一緒なのと、席が前後ということもあって、かなり仲がいい。
西川くんのファンの子からしたら、私なんかが彼の傍にいたら嫌なんだろうけど、不思議と文句を言われたことは一度もない。
多分それは、私がサバサバしていて、彼の恋愛対象に入っていないことが見て取れるからだろう、な。
私は、
「西川くんは、それさえなければいいのになぁ」
と、彼の肩に自然に触れた。
それに笑って、彼は…。
「そう?じゃあ、真中さんの前だけはこういうの封印しようかな」
なんて言って、私の頭をぽんぽんとして来た。
じんわりと彼の手のひらから伝わる、体温。
それに私は少しだけ…ほんの少しだけ、違和感を感じた。
…なんか、これって…?
少し前まで、…丁度一年前の今頃受けた、トラウマが関係しているのかもしれない…。