君と恋をしよう
「覚えてない……抱き締められてたのは覚えてる……今までみたいに覚えてないだけかも知れないけど……彼の、ものは、足に擦り付けられてたけど……」
「……そっか」
「服の上からね!!!」
「うん」

僕は彼女を抱き締めた、もう離さない、そんな気持ちをこめて。

「もし、他の誰かが触れた体でも、僕は全然気にしないよ。今の萌絵が好きだから」

髪を撫でるようにしてから少し体を離した、僕がしたい事は判ったらしい、すぐに目を閉じて次を待っている。

僕はそっとキスをした、さっきよりも甘く感じるキス、唇は赤みを帯びて僕の唇に吸い付いた。

そのままそっと彼女を横たえた、少し体を離すと萌絵は不安そうに僕を見上げている。

「大丈夫だよ、嫌だったら言って、すぐにやめるから」

何処まですぐかは、あまり自信がないけど。

頷く彼女の頬をそっと撫でた、彼女は怯えてびくりとする。

「萌絵、キスしていい?」

彼女は震えた瞳のままこくりとうなずいた、僕は彼女の体に覆いかぶさってキスをした。

……あー、貪りたい。唇を割って舌を押し込んで、唾液注ぎ込んで、舌を絡ませたい。

それらを全て我慢して、すぐに離れた、だって唇が触れた瞬間判った、彼女はまだ怯えてる、無理矢理にはしたくない。

何度か短いキスを繰り返してから少し離れて彼女を見下ろす、不安そうな瞳とぶつかった。

「萌絵……」

呼んで再びキスをする。

離れて名前を呼んで唇を触れ合う、何度も何度も繰り返すうちに、彼女の体からようやく緊張が解けたのを感じた。

「萌絵……少しでいいから口、開けて」

彼女は素直に従う、ほんの少し歯列が見えて、僕はすぐにむしゃぶりついた、我慢の限界だった、舌を差し入れ歯列を舐めた。

「ん、んん……っ」

彼女の戸惑う声が聞こえた、それでも僕は舌を更に進入させた、舌の表面と裏側を舐めて、絡ませる。

キスをしながら手の平で体を撫でた、滑らかで柔らかくて……脇腹、腹、乳房……まだ硬さが残るそれは若さの象徴だ、乳腺が張ってるんだ。再び脇腹を撫で、太ももに触れた、彼女の体がぴくんと跳ね上がる。太ももに指を食い込ませた、滑らかで張りがあった。

再び外側のラインに沿って撫で上げ、首筋に指が触れると、

「ぅん……っ!」

声色が変わった、欲情を含んだ声に。

首は感じやすいのかな……唇を動かした、耳のすぐ下から舌を這わせると、可愛い声が漏れた、それに自分でも驚いたらしい、息を呑んで口を指先で押さえる。

思わず唇を離して彼女を見た、先程までと違って、頬は桜色に染まり、瞳は潤んでいた。僕が知る限り、それは女性の艶やかな表情だ。
よかった、僕でいいんだね。

「──いいよ、声、聞かせて」

萌絵の手をそっと掴んで、口から外した。

「でも……っ」
「恥ずかしい? 僕しか聞いてないよ、もっと聞かせて。聞かせてくれないなら、聞けるまでやめないよ?」

僕が冗談めかして言うと、彼女は頬を赤らめて頷いた。

「……判ったから……手……離して」

離さないよ、そんな事する訳ない。

僕は萌絵を見つめながらその指を舌先で舐めた、そんなところでも感じるのか彼女は身体をぴくんと震わせる。微かに眉根を寄せ唇を噛み締め、潤んだ瞳で僕を見上げた。

そんな艶っぽい表情に、僕は──。

「ごめん……やっぱり、優しくなんてできそうにない」

本音を吐露した。

「ん……?」
「少し乱暴にいくから」

宣言して彼女の唇をキスで塞いだ。

指を首筋に這わせる、彼女は塞がれた口内で声を上げた。

「ここ……気持ちいい?」
「くす、ぐったい……」
「それはね、感じてるんだよ」

そう言って首筋を撫でながら、反対の首筋には舌を這わせた。
萌絵は身を捩って、なんとも切ない声を上げてくれた。

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