心と体の距離
はじまり
「はー!美味しいー!」
金曜日の夜。
ジョッキをテーブルに置いて
美味しさを噛みしめる。
「小原、お前まじでかっこいいわ。」
小原 瑠璃(おはら るり)25歳
そして一緒に飲むこいつは
笠原 陽佑(かさはら ようすけ)25歳
同じ会社の同期で同じ部署
わたしたちはいわば営業の部署
お互い恋人もいないから
華金はもっぱらこいつと。
「だってさ!今日のアレ何!?
飲まなきゃやってられないじゃん!!」
今日は他社と合同で行うイベントの
営業方針の最終決定が
覆されたのだ。
「何で今更!?」
「まあまあ落ち着けよ。
新しいイベント内容も
いい感じだったじゃん。」
だけど…
こいつには言わないけど
取引先のあの人が
一枚噛んでると思うんだよなー。
あの人とは
岸川 瑛里華(きしかわ えりか)さん、
何故か最近かなり敵対視されている。
何故かって言うか
原因はわたしの目の前にいるこいつだ。
「はいはい、ありがと。
あんたには分かんないよ。」
あーもう!今日は飲む!飲みまくる!
「おかわり下さーい!」
と、またグイッと飲み干した。
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