心と体の距離




しばらくして小原が起きてきた。

寝ている振りをして様子を伺う。


少しずつ記憶が呼び戻されて
一人で百面相を始める小原。
これ以上笑い堪えられないって。


「回想終わった?」

と声を掛けた。


「ごめん!!
ほんとこんなつもりじゃなかったの!!
あぁ!ほんとに忘れてほしい!!
ごめんね!笠原!!忘れよう!」

といきなり言われた。
忘れよう?
まさかの言葉に苛立った。


「何で?いいじゃん。
初めてじゃないし、減るもんじゃないし。
どっちもフリーだし問題ないじゃん。
俺ら多分めっちゃ体の相性いいよ。」

気持ちを落ち着かせて
至って冷静を装いサラッと言う。



「だめだめだめ!ごめん!
どうやってお詫びしたらいいんだろ…」

悶々と悩む小原。
そんなに嫌なのかよ。
逆に笑えるわ、、、。


「何悩んでんの?
もういいじゃん。
じゃあさ、これからはたまにしようよ。
駄目?」

俺の言葉に
はあ?って顔しやがって。



「駄目?って、駄目でしょ!」


小原は中々折れない。
だけどどうしても手に入れたい。
俺はずるい男だ。

「いいじゃん、
小原も気持ち良かったでしょ?
どっちかに恋人が出来たらやめるってことで。
どうかな?」

「どうかな?って…。
セフレってこと?」

「セフレとか聞こえ悪いなー。
まあまあ、そんな深く考えるなよ。
とりあえずシャワーでも浴びてきたら?」


と言うと、
あからさまに落ち込んでシャワーに向かう。

いやいや、そんなに
俺意識されてなかったのかよ。
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