心と体の距離



その後またあいつを抱いて
そのままうちに泊まらせて。

ああ、このまま家から出したくない。
俺のものにしたい。

なんて。



月曜日、
前を歩く小原を見つけると
少し腰をさすってる。

絶対言えないけど何だかちょっと嬉しい。


そんな今日は小原にとって
大切なイベントの会議だ。


相手はあいつに当たりが強い。

岸川という女子社員で、
小原とは正反対の女性だ。

いつも何かと難癖をつけては
あいつを困らせる。

今日は無事終わるのか。


気になって、仕事に集中出来ない。

廊下の自販機で飲み物を買う。


「わー笠原さん!
お久しぶりですー!
お会いしたかったんですよー!」

あ、会議終わったのか。

「岸川さん、お疲れ様です。
会議は無事に?」

「はい!
そういえば着物決めたんです。
同じ日で同じホテルでしたよね!」

岸川さんはお見合いをするそうだ。
俺に相談をしてきた。
着物の柄や色を男の目線から教えて欲しいと。

話をよくよく聞くと
俺の友達の結婚式と同じホテルで
同じ日に見合いをするらしい。

「そうですね、
もしお会いできましたら
素敵なお着物、是非見せてくださいね。」

「ほんとですか!?
ありがとうございますぅ〜!

楽しみにしてますねぇ!」


そう言って彼女は帰っていった。


俺もあいつに好きなミルクティーでも
買って行ってやろう。

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