【超短】夏一夜の恋。【完】
「とにかく、これからよろしくやってくれ。席は若狭の後ろが空いてるから、そこを使ってくれ」
蓮君は私の後ろの席に座った。
私は体を回転させて、改めてあいさつする。
「蓮君、よろしく」
「は? ふざけんな、誰がお前とよろしくやるか」
カチン。
なんて言い方。
確かに優さんの言っていた通りの男だ。
「私は優さんのこと知ってて、蓮君のことよろしくって言われたの!」
「お前、うるさい」
「でも、優さんが……」
「兄貴の話なんかすんな」
「え……」
「俺はお前のこと知んねぇし、お前は俺のこと知らない。兄貴の話なんか……二度とするな」
「そんなの、関係ない」
「は? お前、人の話、聞いてた?」
「私は優さんによろしくって言われたから、蓮君と仲よくなりたいとも思ったの。それに、知らないならこれから知ってけばいいよ! だから」
「お前、うぜぇな」
「え?」
「兄貴とどういう関係か知んねぇけど……迷惑なんだよ」
そう言って、蓮君は寝てしまった。
確かにぶっきらぼうで、無神経でいやなやつ。
でも、それでも、優さんと約束したんだ。
迷惑かもしれないけど……お願いだから、優さんとの約束を守らせて……。
優さんは蓮君にとって大事な人であって、私にとっても最高の思い出をくれた大事な人との約束だから──。
-fin.-
蓮君は私の後ろの席に座った。
私は体を回転させて、改めてあいさつする。
「蓮君、よろしく」
「は? ふざけんな、誰がお前とよろしくやるか」
カチン。
なんて言い方。
確かに優さんの言っていた通りの男だ。
「私は優さんのこと知ってて、蓮君のことよろしくって言われたの!」
「お前、うるさい」
「でも、優さんが……」
「兄貴の話なんかすんな」
「え……」
「俺はお前のこと知んねぇし、お前は俺のこと知らない。兄貴の話なんか……二度とするな」
「そんなの、関係ない」
「は? お前、人の話、聞いてた?」
「私は優さんによろしくって言われたから、蓮君と仲よくなりたいとも思ったの。それに、知らないならこれから知ってけばいいよ! だから」
「お前、うぜぇな」
「え?」
「兄貴とどういう関係か知んねぇけど……迷惑なんだよ」
そう言って、蓮君は寝てしまった。
確かにぶっきらぼうで、無神経でいやなやつ。
でも、それでも、優さんと約束したんだ。
迷惑かもしれないけど……お願いだから、優さんとの約束を守らせて……。
優さんは蓮君にとって大事な人であって、私にとっても最高の思い出をくれた大事な人との約束だから──。
-fin.-