輝きに満ちた世界で


姫華と私が訪れたのは屋上。
昼休みなのに誰もいなかった。



冷たくなった秋の風が頬を掠める。



「さよっち、私に何か隠し事してない?」



姫華の口から発された言葉は私の心に突き刺さる。



私を見る姫華の目はいつもとは違っていた。
聞いているけど、私の隠している“何か”に気付いてる。



気付いているのに私に聞いている。



私は...責められている。

そう思えば思うほど私は答えられない。



「気付いてるよ。
さよっち、小町でしょう?



気付き始めたのは夏休み。

連絡しても返信は夜だし、遊びに行った時も雑誌のある所に近寄ろうともしなかった。

おかしいなって。

その日の帰りにコンビニよったらMake Youがあったの。



発売日だったもんね。

本屋とか行ったら確実にあるもの。



表紙は小町だった。しかもメガネかけてたし。」

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